史料読取

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この史料から読み取れることがらとして誤っているものを,次のうちから一つ選べ。
楢磐嶋(ならのいわしま)は諾楽(なら)の左京六条三坊(注1)の人なり。大安寺の西の里に居住せり。
聖武天皇の世に,その大安寺の修多羅(すたら)(注2)分の銭三十貫(注3)を借りて,越前の都魯鹿(つるが)(注4)の津に往(ゆ)きて,交易して運び超(こ)し,船に載せ家に将(も)ち来らむとする時に,忽然(たちまち)に病を得つ。
船を留め,単独(ひとり)家に来むと思ひ,馬を借りて乗り来る。近江の滋賀郡の磯鹿(しが)の辛前(からさき)(注5)に至りて,かへりみれば三人追ひ来る(注6)。
(『日本霊異記』中巻第24)
(注1) 原史料には「五坊」とあるが,「三坊」の誤りである。
(注2) 「修多羅」は経典のこと。ここでは経典を読んだり論議したりする研究組織を指す。
(注3) 1貫は銭1,000枚である。
(注4) 現在の福井県敦賀市。
(注5) 現在の滋賀県大津市。なお,原史料には「高嶋郡」とあるが,「滋賀郡」の誤りである。
(注6) この後,楢磐嶋は追ってきた3人(正体は冥(めい)界(かい)から来た鬼)を饗(きよう)応(おう)し,読経したことで長寿を得たという。

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